2013年12月28日

ななつ星年越しそば会







例年、大晦日に年越しそばを30人分ほど打ち
配ることをしている。今年は初めて年越しそば会を28日にやることにした。
案の定、皆さん家事の年内の追い込みのせいか反応が悪い。

日曜日の朝に放送している「新報道2001」を担当されている方からだった。
BSフジで「ななつ星」の2時間特番を作るので、乗った人の話を是非聞きたいと
の取材の申し出だった。
RKB毎日放送、日本テレビ、大分朝日放送に次ぐ4社目だ。
遠方よりせっかくお越しいただくのであれば、何らかのサプライズとおもてなし
をといつも考ている。
であれば、28日に年越しそば会を開くので、ゲストハウス「悠久庵」へお越しく
ださいと話を切り出した。

15日に開いた浜名湖クラブ忘年会ときにいただいた看板「悠久庵」を門に掲げた。
玄関には“歓迎”フジテレビの貼り出しも。これらはそば会にお越しいただく皆の
協力でできている。

取材に来られたのは若き女性の阿部さんお一人、2年間もななつ星を追いかけて
いるだけあって小生のアルバムに出ているクルーの名前は皆知っていた。
質問の内容もななつ星の本質に迫るものが多い。
「『新たな人生にめぐり逢う、旅』と唐池社長は言うけど、溝口さんはななつ星
の旅のあとに何か変わりましたか?」
「うーん・・・・」カメラを前に何か答えなくてはと焦る。
「人生が変わるということはないけど、ななつ星というフィルターを通すことで
皆が乗客に手を振り笑顔を向けてくれる。
こちらも思わず幸せな気持ちになり手を振り返す。そのやり取りがこんなに気持
ちを高揚させるものなのかと驚いた。」
「クルーの皆さんの新鮮でひたむきなおもてなしにも感動した。」
と答えた。感動の経験の多さが人生を豊かにし心豊かなものにする、その意味で
は十分に『新たな人生にめぐり逢う、旅』と言える。

放送は1月12日(土)17:00から2時間BSフジ、是非ご覧ください。
※写真にある大きな梨は大分県日田産の愛宕梨です。ななつ星で日田駅で出会っ
た日田の宿「よろづや」の大石女将が
ななつ星乗車祝いとして送ってくださったもの、他にも湯布院湯平温泉「上柳
屋」の古長女将も夫婦ボールペンをお祝いで
送ってくれました。ななつ星に乗ったことを我がことのように喜んでくださる人
がいます。
日田の大石女将は何と初対面なのです。ななつ星は『新たな“人”にめぐり逢う、
旅』でもあるのです。

  


Posted by Qさん 大魔人 at 23:27Comments(0)

2013年12月25日

ななつ星in九州(その18)






徐々に 明るくなり窓から光が差してくると日南海岸を列車は進んでいた。
そして、止まった駅は都農だった。朝の食材供給のため停車したのが都農町だ。
「農の都」っていう名に相応しい採れたて野菜が積み込まれた。

都 農町には都農ワインがある。都農の土質は、火山灰土壌の「黒ボク」で排水
性には優れているものの、ブドウ が必要とする、
カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が乏しい。都農ワイナリーの牧内農
園では、積極的に堆肥を利用している。
「ぶ どうはやせた土地でよく育つ」ということを聞いたりするが、ここでは顆粒状の土をつくり、
ぶどうの毛細根が張りやすい環境を整えることで健全なぶどうづくりをしている。

「すべては“世界の都農ワイン”となる日のために。ぶどうの産地は宮崎県都農町
産100パーセントです。まさに風土を表現する日本のワインです。」を売り文句に。
その地の野菜に間違いはないと選び抜いたのだろう。
水々しくシャッキとした歯ごたえに、素材そのもの甘味を感じる野菜達に、
ふわふわとまるで雲を掴むような口ざわりのオムレツが後を追う。
ななつ星の旅の二日目 のスタートに相応しい朝食だった。



  


Posted by Qさん 大魔人 at 00:25Comments(0)

2013年12月17日

ななつ星in九州(その17)







ななつ星の603号 室に戻るとソファーがベッドに姿を変え、その上には折り鶴と
パジャマが用意されていた。
ななつ星には風呂の用意はない。檜風呂ならず檜シャワールームが用意されている。

シャワーヘッドはこれまで見たこともない大きなもの だ。バルブをひねった時
に冷たい水は出てこない。
ただちに適温のお湯が出てくる。排水弁機構が組み込まれているらしい、メー
カーの実績でもわずかな高級ホテルに取り付けただけで、列車はもちろん初めてとのこと。

立ってのシャワーはもしも急停車があれば、転倒もあ ることから椅子が用意されている。
椅子に腰掛けてのシャワーという人生初の体験となった。大きな水の束が降り注
ぐと同時にシャワールームは一気にヒノキの香りに包まれた。

シャワーの水は、定員30人全員が想定通り使って、3泊4日もつのだろうか。
尋ねると「いえ、もちません。2泊目の夜、お客さまが旅館に泊まられていると
きに、鹿児島の車両基地に入れて、水を補給して、機関車にも燃料油を入れます。」
とのことだった。そうそう、七つ星はディーゼル機関車なのである。

ベッドの方向は枕木方向ではなく進行方向になっている。新幹線同様のフルアクティブ
制御 の制振装置を組み込んではあるものの、線路の継ぎ目がわからないとまではゆかない。   
停車後に動き出す時には、列車の中にいることを思い起こさせる。目が覚め車窓
に目をやると所々の人家に明かりが見え、そこにななつ星を見ようとする人の
姿がチラホラ見える。真夜中というのに。

  


Posted by Qさん 大魔人 at 22:29Comments(0)

2013年12月16日

有由有縁





昨日15日、我がゲストハウス悠久庵において
浜松クラブの忘年会を開いた。
この日に大分朝日放送(OBS)の取材があった。
カメラマンと記者が、大分から遠路、浜松まで来られた。
忘年会を取材に来たわけではない。目的は「ななつ星」だ。
RKB毎日放送、日本テレビに次ぐ3社目の取材となる。

せっかく遠路お越しいただくのであればということで、
浜名湖クラブの忘年会の日に合わせてお越しいただいた。

朝から準備に入り、山形県流芋煮鍋、ダッチオーブンによるローストチキン、
カルパッチョ、鍋、締めに手打ちそば が、だいたいのメニューだ。
準備スタッフ7人の尽力あって、ターブルには力作の料理が並んだ。

床の間には、客人に初めてお披露目する軸「有由有縁」を掛けた。
これは大分県竹田市の首藤勝次市長が書いてくれたものだ。
8月に長湯を訪問した時にいただいたもので、このほど表装が出来た。

「由あって縁がある」胸にしみる言葉だ。
「今日の宴で縁できるのは、ただの偶然じゃなくて引き寄せられる訳が
あってのこと。今日のご縁を大切にしたいものだ。」を歓迎の挨拶とした。
実は、小生はクラブメンバーではあるが、所属している多くの方を存じ上げていない
ので、こうした挨拶とさせていただいた。

乾杯のあとにOBSのお二人が着いた。
テレビ局が来たことで皆も興奮気味だ。
テレビの画面に皆が映し出されるといいなと思いつつ、これが大分県でしか
放送されないことが残念。ただ、放送のDVDは送ってくださるとのことなので
その「映写そば会」を改めて開かなくてはいけなくなりそうだ。
ななつ星をめぐっては、まだまだお楽しみが続く。



  


Posted by Qさん 大魔人 at 22:16Comments(0)

2013年12月15日

ななつ星in九州(その16)






列車は食事の間中、由布院と南由布の駅を往復していた。その内に雨が降り出し
てきた。
由布院駅に、小生が由布院の親戚と言っている井尾ファミリーが待っていてくれた。
食事が済んだ後、しばし由布院駅に七つ星は停車した。出発は23時過ぎだ。
それまで2時間ほどの時間がある。


小生のみが下車して井尾ファミリーと町内のバーに向かった。
井尾君は小生が由布院観光総合事務所事務局長を務めていた時に、大学を出て新
採として事務所に入ってきた青年だ。
あれから17年の年月が過ぎ、今は豆腐料理店「市ノ坐」http://www.ichinoza.jp/
切盛りしている。
***大豆と水とにがり。たったそれだけの材料で作られる豆腐はヘルシーで体
に優しく、シンプルが故に変幻自在な食べ物です。“田中市”と呼ばれる湯布院のこの地に、
そんな伝統食を真ん中に据え、人々が語らう食事処「由布院 市ノ坐」を開きま
した。***と挨拶のあった店もすでに開業5年である。

バーでひとしきり話したあと由布院駅に戻った。
由布院が駆け出しの頃、旅行社に「由布院には、何がありますか?」
「・・・す、ススキがあります」と答えていた昭和40年代。
それが今では行きたい温泉地ランキングには常にベスト3に入るまでになっている。
そのススキがダイナミックに由布院駅に生けられていた。
ななつ星の車体をバックに何やら誇らしげに見えた。

  


Posted by Qさん 大魔人 at 21:57Comments(0)

2013年12月10日

国際陶芸フェスティバルinささま












すっかり冬になりました。
ななつ星からもう2ヶ月が経とうとしています。
話はまだ初日を書いている様で、いつ終わることなるのやら ああ
英国の旅シリーズはどうなったのかとの問い合わせもいただく始末、
ロンドンを離れてイギリスの素敵な田舎町コッツウォルズを書かなくては
いけないのですが、記憶がだんだんしぼんできていて焦ります。
今年は旅行で気持ちいいくらいにお金を使いました。

たまには、静岡県内であったイケてるイベント紹介します。

人口500人ほどの島田市川根町の集落の笹間で国際陶芸フェスティバルがあった。
11月22〜24日に一つのムラに北米、欧州、アジア9カ国10名のトップアーティス
トが集まった。国内の若手陶芸家も50人ほど参加、世界的にも類まれな陶芸の祭
典となった。
一昨年に続き2回目となる。デンマークから参加の世界的陶芸作家のニーナ・ホー
ルは巨大オブジェを現地で焼き上げた。作家の作陶過程を見ながらそのテクニック
を学ぶワークショップ、地元のシェフならぬ主婦が地元料理を出す「ささま食堂」
、縁側カフェを渡り歩く「ふるさとハイキング」と趣向を凝らしたイベントとなっ
た。
海外からのお客も含め4,000人程の人出があり、笹間の集落は大いに賑わった。世
界から日本の小さな村に集い、ここで得たインスピレーションを自国に持ち帰る、
ここ笹間が世界の陶芸文化の一発信基地となることを期待し、3回目の開催が待た
れている。

陶芸よりも「食やムラの暮らし」が気になる小生にとって「ささま食堂」と「ふるさと
ハイキング」はとても楽しかった。
ささま食堂は、主婦に作る料理をそれぞれ割り当て大鍋で作ってきてもらい、それを
実行委員会が買い上げることにし、それを基本の料理として、
注文に応じてお客それぞれのプレートに盛り付けるといういもの。
“かっこ”も味も良かった。ワインのボトルをあけ、テーブルに他のお客と相席し
その方々とも大いに楽しい深まる里の秋を堪能させていただいた。



  


Posted by Qさん 大魔人 at 23:01Comments(0)

2013年12月07日

ななつ星in九州(その15)




ななつ星の旅の一ケ月ほど前にJR九州の秋山さんから連絡が入った。
「10月15日は結婚記念日ですよね。お花、ケーキ、シャンパンが御用できますが如何でしょうか?」
口に入るものは十分に用意されているだろうから、花にしてもらうことにした。もちろん有料ではある。

「その花はどの場にいつのタイミングにしましょうか?メッセージカードのコメントは?
ラウンジカーにはピアノが用意されてますので、リクエスト曲は?」とおもてなしのメニューが続く。
これはサービスではない、おもてなしである。
この二つの違いは何か?サービスにはお金が伴い、それは仕事と言うべきものだが、
もてなしは「思いやり」から派生しているものと思うし、そこに人のセンスが伴う。極意なのかもしれない。

花を出すタイミングは夕食後、デザートの前にした。部屋に置いておいておくという選択肢もあったが、
他のお客が見ている前の方がいいに決まっている。入れたメッセージは内緒、、、。
花が出され、メッセージを読み終えた頃、斎藤和義の「歌うたいのバラッド」がピアノから流れたと同時に、
頬に涙が伝わっていくのが見えた。



  


Posted by Qさん 大魔人 at 05:22Comments(0)

2013年12月01日

ななつ星in九州(その14)









次は「海の景」で イカのマリネを本マグロで包んで出されてくる。続くは「磯の景」、
アワビにきのこが添えられ塩釜にしている、キッチンペーパーの端を引っ張ると
塩釜が崩れ一気に香りが立ってくる。

そして「波の景」真鯛と車海老を昆布で蒸し、その昆布を船に銀杏、しめじ、白菜が乗っている、
秋の食の宝船の趣だ。次に出てきたものが意表を突く鋳物の蓋付器だ。
さて何が現れるのか、おしながきには「浜の景」関アジの一夜干しのパスタとある。
豊後水道の荒波にもまれて 育った刺 身でうまい関アジを一夜干し、
しかもパスタに和えて出してくるとは驚きだった。

山、海の幸の続き最後に里、そう「田の景」としてご飯に漬物、「沖の景」の止椀で締めくくる。
適度な量がタイミングよく運ばれてくる。マスコミに食の量が多すぎるというような記載があったが、
料理の後に出されるデザートが 満腹感を煽ったのかもしれな い。
食事が終わるタイミングで超サプライズが待っていた。

  


Posted by Qさん 大魔人 at 23:21Comments(0)