2019年06月06日

島根県への旅(その4)








この船を出す地区を「五大地」と呼ぶ。人口減少で櫂伝馬船を繰り出す5地区は人手不足に苦慮している。

5地区の内2地区は35軒しかない。船に乗るは30人以上いる。その船をサポートする数隻の船も必要で、

人手不足は明らか。それに船の装飾、衣装、化粧を見れば相当な出費も伴っている。

10年に一度では伝承にも相当な苦労がある。だからこそ、5月の陽光に耀く大橋川をゆく、

きらびやかな船団の大絵巻を見ると感無量!はるばる松江にまで来た甲斐があった。

大橋川の川べり、4本の大橋の上も人だかり、こんなに多くの人を一望することは無い経験だ。

皆の大きな拍手にかき消されそうだけど、ホーランエンヤの圧倒的な声量は川面を震わせる。

十年後にまた聴きたいものだ。市内にホーラエンヤ伝承館があるので、祭りのことを知ることはできる。

今年は一関市の水かけ祭り、掛川市横須賀の三熊野神社祭りに続く祭り見物になった。

次は、京都祇園祭を暑さ真っ只中の京都に出かけることにしている。すでに宿はとった。

地域の誇りを見て回ることが今年の旅のテーマだ。(おしまい)


  


Posted by Qさん 大魔人 at 22:13Comments(0)

2019年06月06日

島根県への旅(その3)





翌日は今回の旅の最大の目的、ホーランエンヤ見物だ。変わった名前だ。祭の掛け声からきている。

正式には城山稲荷神社式年神幸祭という。1648年に松江松平藩主の松平長政が始めた神事である。

松山城にある稲荷神社の御神霊を船で10キロ程、川を下り、阿太加夜(あだかや)神社に持っていき祈願する。

そしてまた還っていく。5月18日の往路が渡御祭、26日の復路が還御祭と称される。

船に乗っての祭だからそもそも珍しい、その上10年に一回ともなれば興味の高まりを押さえることはできない。

祭の人出は全体で38万5千人と発表された。松江の人口20万人、島根県71万人を思えば、相当な吸引力だ。

5月26日の還御祭の見どころは宍道湖から中海を結び、松江市の市街地を流れる大橋川に架かる四本の大橋の橋の間ごとに


繰り広げられる櫂伝馬(かいでんま)躍りの奉納だ。櫂を操る際の音頭取りとぴったり揃った櫂かき、船首に立つ剣をかたどった

櫂を突き上げて大見得を切り踊る「剣櫂(けんがい)」、船尾では鮮やかな布を付けた棒を振って体を仰け反らして踊る女形役者

「采振り」が見せ場だ。これが五隻出る、神様乗せた神輿船の引き船役で「櫂伝馬船」と言う。(つづく)



  


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2019年06月03日

島根県への旅(その2)









そばの後は出雲大社に向かう。昨年来た時に、菊竹清訓の名作、RC製の大社庁が無いことにショックを受けた。

稲束の日干しの方形をモチーフにした合掌づくりの形態を持つ、その印象的なデザインは一度みたら忘れることはできない。

建築協会賞も得、日本百建築にも選ばれた秀作だ。どうやら取り壊され、何か建築中だった。

どんな建物に建て替わったのか心配だった。白木の真面目な和の建築になっていた。

いい建物であることは、よーくわかる。

少し、物足りなさを感じつつ、出雲大社を後に県立古代出雲歴史館に寄った。

こちらは槇文彦のデザインだ。ヒルサイドテラス、スパイラル、幕張メッセ、京都国立近代美術館等、

色褪せしない都会派の建築家の作だ。  

建築もさることながら、高さ48mもあった古代の巨大神殿の模型が一見だ。この後も出雲文化伝承館、

民藝館に寄って松江に向かった。今回の旅で、島根県には博物館、資料館、神社、遺跡、寄るべき処が多く、

その密度の高さにいた。島根県の「人はいませんけど、神さまはたくさんいます」のコピーは正しい!

(つづく)





  


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2019年06月03日

島根県への旅(その1)



昨年11月に職場の親睦旅行で鳥取、島根に出掛けた。松江の街中を歩いていたときに気になるポスターを見つけた。
そこには「十年に一度の船神事ホーランエンヤ」と書かれていた。じゅ、十年に一度とは!どんなものだろう、
しかもホーランエンヤとは変わった名だ。3月になり、ふとその事を思い出し、ネットで見ると5月18日、22日、26日
と飛び飛びに祭典が開かれることになっている。幸い、静岡空港から出雲空港には毎日飛行機が飛んでいる。
十年に一度しかないなら、行くしかない。5月26日の最終日を目指そう、ただ、宿がとれるのかなと思いつつ、
JALのホームページからエアー&ホテルで検索したところ、松江駅そばのエクセルホテル東急2泊分が飛行機チケット共に予約できた。
レンタカー付けて6万円弱だ。

島根県観光には宍道湖を挟み出雲と松江の二拠点がある。まずは、出雲に向かう。出雲大社そばの「きずき」という民家で営業しているそば店に入る。
有名店の荒木屋に入ろうとしたが、待っている人多数につき、近くでたまたま見つけたお店にしたところ、ここが大正解。
出雲そばと言えば割子そば、3段から5段まである。一段250円勘定、最低4段は欲しいかな。そばの実を甘皮ごと挽くため黒っぽい麺が特徴、しっかり手打ちされコシは強い。一番目の椀に汁を入れてそばをすすり、残った汁を二段目に入れ、新しい汁も加えすする、
そしてまた下の段に進むというのが、食べ方だ。所謂もりそばだから、それなら違うものをと、鴨南蛮にした。
熱い汁に冷たく締めたそばを入れて食べる。鴨とネギでまずは一杯やってそばに進みたいところだが、車の運転が待っているため、
諦めた。期待通りの旨さだ。〆は蕎麦湯を注ぎ飲む。(つづく)



  


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