2017年10月31日
ポートランドへの旅(その5)
米小売り最大手のウォルマート・ストアーズは豊富な品揃えと安さが売りだ。
菓子の袋がやたらと大きい、売っている服もビックサイズだ。買い物客も太い人が殆ど。
一方でホールフーズはその対局にある。大手メーカー商品よりもプライベイトブランド、
余分な添加物の無い高品質なものが主流である。しかもローカルファーストで地場産品へのこだわりは強い。
お客も太過ぎている人は見かけない。
ポートランドには地元密着の企業が多く、そのほとんどがサスティナビリティに対して非常に高い意識を持っている。
飲食店なら、食材の仕入れルートからナプキンなど備品の素材にいたるまで、徹底的地元にこだわっている。
ポートランドに大手ファーストフードチェーン店がないのは、住民の多くもこうした地元企業をよりひいきにしていることが窺える。
グローサリーアウトレットが素晴らしい。賞味期限が近いもの、過剰在庫品、マーケットテスト品といった訳あり商品を安く提供している。
食品ロス削減に一役買っているという意識もあってか、客入りも上々だ。ばらまきの土産品の選択には持ってこい、
すでに買ってしまった仲間からは半額で買えたぁとの声が上がった。(つづく)
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22:18
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2017年10月25日
ポートランドへの旅(その4)






二軒のワイナリーを訪問した。ここポートランドはピノ・ノワールの産地で品質の高さで好評価を受けている。
ピノ・ノワールとはフランスブルゴーニュ地方で有名な赤ワイン用ブドウのことで、
カヴェルネ・ソーヴィニヨンなどと比べて栽培、醸造ともに難しいとされる品種だ。
”ロマネ・コンティ”もこのブドウ100%から生産されている。
オレゴン州はフランスとほぼ同緯度にあることからピノ・ノワールを生産しているワイナリーが点在している。
ワインは「酸味が控え目で、ベリーのほんのりとした甘酸っぱさ、香り豊かなほうじ茶のような土のテイスト」
なんてことが書かれていたりするが、残念ながら、小生には味を表現する言葉を持ち合わせていない。
ワインの試飲は嬉しいが、それ以上に葡萄畑とそれを眺めながらワインを楽しむ空間が素敵だ。
今、小山町で計画しているパークゴルフ場のクラブハウスも芝の緑を眺める開放的プランをウリにしている。
(つづく)
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22:34
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2017年10月23日
ポートランドへの旅(その3)



街歩きが気持ちいい。街路樹、無電柱、街区は正方形でコンパクト(一辺61m)に作られ、
歩行者に優しい街となるように街が設計されている。1972年に策定した都市計画によるものだ。
1950~60年代の自動車社会がダウンタウンを衰退させたことから、ヒューマンスケール、
歩きやすくすることが計画の柱だ。
これに路面電車(ストリートカー)やバスやライトレールのマックス(MAX)があるので、車はいらない、とても動きやすい。
リノベーションが徹底している。倉庫が飲食店に、映画館に、ギャラリーに姿を変えている。工場が喫茶店に。
工作機械がテーブルになっているのにはたまげた。広い空間でコーヒーを口にしながら思い思いの時を過ごす。
作り込むのが好きな日本人から見ると、そ、その手があるのかと驚かされる。(つづく)
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22:36
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2017年10月18日
ポートランドへの旅(その2)





バンクーバーからシアトルに入り、シアトルに1泊、翌朝貸切りバスでポートランドに向かった。
車窓風景もなかなか面白い。鉄道貨物のとてつもない長さ、果てしなく続く農地、時折、現れるマチ。
2時間半ほどでポートランドに入った。
まずは週末のみ開かれるポートランド州立大学キャンパスでのファーマーズマーケットに向かった。
前回来たときにも最も印象的な催事だった。地域で採れた野菜、花、くだもの、ジャム、ハチミツ、
チョコレート、クッキー、おっと松茸まである。試食のくだものが相当に美味い。
出店者それぞれが個性的で、クオリティは相当に高い。どうやら、地元の生産者であれば出店料を支払えば
誰でも参加OKではないらしい。
環境に負荷をかけない栽培や飼育、収穫をしているか、品質へのこだわりやプレゼン力を持っているかなどが、
運営団体によって審査されて、厳しい基準をクリアしないと出店できないとのこと。そのことが継続力なんだな、
6年前に比べ全く衰えはなく多くの人を集めていた。
プレゼンの審査もあるぐらいだから、品物の並べ方がとても上手だ。それに比べ日本のイベントでのテント
での物売りがいかにも貧相だ。ドイツで見たクリスマスマーケットの出店も凄かったなぁ。
さらに、ストリートミュージシャンもいて会場を盛り上げる。お、子供たち対象の料理教室まで開かれている。
住民のリビングルーム的存在感があった。もちろん観光的には最も魅力的な場と言っていい。
ポートランドで一番好きな場所だ。(つづく)
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22:06
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2017年10月17日
ポートランドへの旅(その1)



「岸和田への旅」の次はドバイへの旅以来の海外の旅を書きます。4年前の今日は「ななつ星IN九州」に乗っていました。
ななつ星は、その27まで書いて頓挫してしまいました。あああ
さて、今回からアメリカポートランドへの旅を書きます。
浜松で健康惣菜をウリに20ha近い農地まで持って可能な限り無農薬で栽培された野菜に天然素材の調味料を駆使し
加工・調理・配達・販売まで一貫して自社で行っている「知久屋」の社長の知久さんから
「ポートランドに視察研修にこれからの浜松を元気にしていく仲間と行くけど、一緒に行かないか」と声をかけていただいた。
断る理由は見当たらない。6年ぶりとなるオレゴン州ポートランドを目指すことにした。9月29日から10月5日の旅だ。
案内は今回もポートランド通の「商い創造研究所」代表の松本大地さんだ。氏曰く「40回、案内した人は550人にもなる」と言う。
今回の団体は総勢18人、小生にとって3分の2は初対面、食の関係の経営者らとの旅に期待が高まる。
知らない志のある人との出会いがこの上なく好きだからだ。
さて、ポートランド。アメリカ西海岸の北に位置する人口約60万人程の中都市が、このところ世界中から注目を浴び続けている。
2013年アメリカのベストシティランキング第1位、35歳以下が最も住みやすい街ランキング第1位、
その他『メンズジャーナル』(2006年)や『マネー』誌(2000年)でも、“全米でもっとも住みやすい街”に選ばれている。
また、・全米で最も環境に優しい都市 ・全米で最も自転車通勤に適した都市
・全米で最も外食目的で出かける価値のある都市 ・全米で最も菜食主義者に優しい街
・きちんとした食生活で健康に暮らせる街 ・知的労働者に最も人気のある
・全米で最も出産に適した街 にも選ばれている、賛辞の嵐の街なのだ。(つづく)
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22:37
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2017年10月15日
岸和田への旅(その5)





そして、だんじり本体の彫刻が見ものだ。
祭りに出ているだんじりの彫刻を近くでじっくり見ることはできないので、
それは「岸和田だんじり会館」で目にすることができる。
藤井町のだんじりは正面が「桶狭間の合戦」左側が「長篠の合戦」そして後ろには「本能寺の変」と、
彫刻の図柄を信長公記で統一している。彫り物師・黒田一門の淡路の名工、松田正幸の力作と説明がある。
各町全て彫り物の謂れがしっかりしている。だんじりの大きさはさほどではないが、彫り物の格は相当なものだ。
億をくだらない費用がかかるのもうなずける。
岸和田祭礼には三原則がある。「自主運営、自主規制、自主警備」がそれだ。継承の力となり、
世代を超え地域で支え合うまちづくりが岸和田では続くだろう。300有余年、どんなにか困難な時代背景があったかとは思う。
でも脈々と引き継がれてきた。昔とは比べ物にならないほど面白いことがたくさんある時代にあって、
人口20万人の街に観客50万人を集める。
市民の岸和田市に住むことへの満足度はとても高いと聞く。
だんじり祭りの果たす役割はとてつもなく大きいことを感じずにはいられなかった。
次回は岸和田のだんじりを心行くまで堪能したい。(おしまい)
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22:23
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2017年10月13日
岸和田への旅(その4)




だんじりの一番の見どころは地車が角を曲がる時である。勢いよく走りながら直角に向きを変える。
4tを超える曲がる機構を持ち合わせないだんじりを走りながら強引に角を回す操作は容易ではない。
だんじりは定められた曳行路を何周も何周も駆け巡り、そして曲がり角ごとに「やりまわし」を行う。
その迫力とスピードにおいては他の山車には見られないものだ。たいていは、スピードを落とし慎重に行われる。
浜松で言う屋台の巡行の時もそうだった。
だんじりを前へ前へと曳く青年団、旋回のきっかけをつくる前梃子(まえてこ)、舵取り役の後梃子(うしろでこ)、
後梃子に合図を送る大工方、それぞれのタイミングを合わせるのが難しく腕の見せどころである。
速く、正確に「やりまわし」を行うには、それぞれの持ち場を受け持つ各団体の息が合うことが重要となる。
それがうまくいかないとだんじりが横転したり、建物に突っ込んだり、前梃子がはさまれたりで、時に死亡事故にもなる。
特に気なった役が「前梃子」と「大工方」だ。
「前梃子」はコマの回転を制御するために道路とコマ面の間に木を差し込む。
やりまわしの時、内側の前梃子は旋回のきっかけをつくり、内側のコマの回転を抑え、だんじりを曲がりやすくする。
だんじりが回り込み過ぎて塀や建物とだんじりに挟まれる事故もある非常に危険な役だ。
何と言っても花形は「大工方」だ。だんじりの大屋根や小屋根に乗り、団扇を手に華麗に舞う。
揺れるだんじりの屋根の上を棟を飛び越えて舞う。これが実にカッコイイのだ。
また、だんじりの前方が見えない後梃子に進行方向を屋根を団扇でたたくことで指示している。(つづく)
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22:29
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2017年10月12日
岸和田への旅(その3)





「岸和田城下に秋の浜風が吹いてくると、泉州一帯の先を飾って岸和田だんじり祭が行われる。」
ということは今年であれば9月16日,17日に行われただんじり祭だけじゃないということだ。
そもそもだんじり祭は、西日本において開催される、山車・太鼓台などの総称であるだんじりが用いられる祭の総称。
なかで最も有名なものは岸和田市で9月に行われる地車をもちいた岸和田だんじり祭が全国的に知られている。
江戸時代中期に始まりおよそ300年も続いている地域の誇りの祭りだ。町会と祭禮関係団体が運営主体となり、
子どもから高齢者まで個々の年齢層で役割分担を決め、町ごとに組織運営されているのが大きな特徴だ。
小生も参加していた浜松祭りにも似た姿を見ることができる。
地車が回りやすいように歩道と道路はフラットだし、信号はじめ道路上の物体はだんじり祭りに支障が
ないような配慮がされている。街中にある観光案内板にはだんじりのモチーフが施されている。
試験曳き9月3日、宵祭16日、本祭17日に遅れること一週間後に岸和田に行くことになり、
少し残念な思いをしていたが、他の地域でも見ることがわかり嬉しくなった。観光パンフに目をやれば全80町が。
十月になると6箇所で行われる。
目指すは泉佐野市、岸和田の山間地にある「牛滝温泉いよやかの郷」に泊まった翌日のこと、南海電鉄の泉佐野駅に降り立つと
「よさこい祭り」をやっていた。この日は祭りではなく「ザ・まつり」としてイベントの設えになっていた。
よさこいは前座だ。13時近くなっていよいよ「だんじり祭り」集団のお出ましとなった。(つづく)
※写真には大阪で初めて見たものも掲載しています。特に「ひやし飴」
Posted by Qさん 大魔人 at
19:15
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2017年10月10日
岸和田への旅(その2)










岸和田と言えばだんじり祭、知らない人はいないが、小生の回りでは行ったことある人はいなかった。
大阪に出掛けるこの機会に是非と知り合いの岸和田市職員の辻さんに構って欲しいとお願いしたところ快諾。
9時に岸和田駅に、まずは漁港に行ってシラス丼を食べようと言うのだ。大阪湾に漁港があるのかい?と思いつつ、
「きんちゃく家」に到着。生のシラスに卵の黄身を落としネギを散らしたどんぶり、これに鰯の煮付け、あまごの天ぷら。
漁港そのものにある食堂に間違いはない、実に美味しい。ホテルの朝食を抜いてきたこともあり、ビールを口にし、
たちまち胃袋の中に収まっていくことになった。
その後はまち歩き、岸和田城周辺を散策、まずは五風荘。凄いお屋敷が目の前に現れた。寺田財閥の岸和田市長も務めた
寺田利吉の別邸として昭和4年から10年かけてつくられたもの。敷地面積2400坪、床面積1000平米。
3つの茶室と回遊式庭園がある。
現在は市の所有、これだけの規模の庭と建築を維持することは容易ではない、そこでがんこフーズ㈱という
飲食店が指定管理者となって建物を使いながら保存している。当然、国の登録文化財かと思ったら、市の指定文化財という。
指定管理に切り替わった平成20年に市の指定有形文化財ということで文化財のランクを上げている。
部屋はこれでもかというくらいに客席がセットされている。蔵も全てである。伺ったのが日曜日の開店前、
全ての席は予約され料理が次々とセットされていってる。このシチュエーション、豊富なメニューにリーズナブルな価格、
超繁盛店になっている。売上の3%が市に納められているとのこと。多額の管理費から解放され、利益も出る理想的な形ができている。
ゆっくり建築を観賞したいリクエストに応えることはできないが、楽しく豊かなときを過ごすことはできる。(つづく)
Posted by Qさん 大魔人 at
07:01
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