2014年09月13日
ロシアへの旅(その5)










小生がロシアに行くと言ったら、皆異口同音に「ボルシチが食べられるね」と言われた。
職場への皆へボルシチの素を土産にした。日本にも よくある粉末のスープの素だ。
それを渡すと多くは怪訝そうな顔をした。
「ボルシチ」=「ボリュームのあるビーフシチュー」と思っていたようだ。
ボルシチは正確に言えばロシアではなくウクライナの料理だ。
肉・野菜を煮込み、ビーツ(赤かぶ)を入れて仕上げたスープ。サワークリーム
を加えて食べる。
他のスープ料理に比肩するものが無いほどに赤い色合いをしているのが特徴だ。
この赤さは、ビーツに含まれている 赤色のベタシニアンが酸性に近いスープの
中で強く発色するからである。
悪夢の一夜を過ごしたモスクワドモジェド空港で一度口にした以降は、実は二
度と注文しなかった。
皆の口に合うかが心配だ。さて、話をエルミタージュ美術館に戻そう。
写真は撮りまくりだ。フラッシュを焚かなければオッケーだ。
但し、デリケートな日本画や貴族が纏っていたドレスは撮影禁止だった。
まずはイタリア美術からだ。ニコライ1世の書斎だった部屋がダ・ヴィンチの 間、
現存する絵画が14点しかないダ・ヴィンチの絵のうち2点がここにある。
ラファエロの間に続く。見逃せない絵の前は大変な人だかりだが、
多くは団体客なので過ぎ去った後にゆるりと観ることにした。東洋は俄然、中国
人が多い。
4時間の見学で日本人には数人しかお目にかからない。
団体旅行者 が多いのは、彼らは予め旅程が決まっている方々だからだ。
ロシアは個人が国内を自由に移動することを良しとしていない。
ビザ取得の厄介さがそれを物語っている。
続くはルーベン スにレンブラントに代表されるオランダ美術だ。
巨匠レンブラントの作品は20点を越していた。
次はエル・グレコにベラスケス、ゴヤのスペインの大家が揃って現れてくる。
その後にようやくルノワール、モネ、ゴーギャン、ゴッホ、セザンヌ
と馴染みある作品が現れ、肩の力が抜けた。締めに掛け軸、浮世絵、兜に刀の日
本の展示を観た。
この上ない贅沢な美術鑑賞であったが、いかんせん疲れ た。
日本の12月を思わせる外の空気に触れながら近くのベンチにへたりこんだ。 (つづく)
Posted by Qさん 大魔人 at
22:42
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