2018年06月12日

江之浦測候所を体感する旅(その2)



スタッフが早速迎えに出ていてくれた。予約者であることの確認とウエルカムの挨拶のためだ。
入り口らしき方に向かうと、気象観測のためのレーダー何ていうものはなく、相当に歴史を重ねたどっしりとした門が現れた。

室町時代に明月院(臨済宗)の正門として建てられ、関東大震災時に半壊、六本木、その後、根津美術館正門、美術館建替えに伴い、
この地に移築されている。

名月門を横目に、今度は極めて現代建築の待合棟に通される。4面ガラス張り、軒線の美しいスマートな建築だ。
 ここで、“ソッコウジョ”の正体が明らかになった。

写真、演劇、建築など多領域で活躍する現代美術家・杉本博司氏が創立した小田原文化財団の美術施設なのだ。
杉本氏が10年以上の歳月をかけて構想を練り上げてきた施設だ。氏と榊田倫之による新素材研究所が設計・デザイン監修を行い
、2014年3月に着工し、昨年17年10月9日オープンした。

敷地面積は9496㎡、建築面積は789㎡。アートを鑑賞するためのギャラリー棟、光学ガラスでできた舞台、巨石を使用した石舞台、
千利休の「待庵」を写した茶室、長年収集した貴重な銘石を配した広大な庭園、各地から寄贈された歴史ある門、待合棟などで構成される。
これらの建築物は、現在では継承が困難になりつつある伝統工法を再現している。人から尋ねられたら「アートスケープ空間」って説明しようか。聞いた人から「余計わからん」と言われるかな。

杉本氏の作品を後で見ることになるが、昨年末に由布院で見た「COMICO ART MUSEUM」に氏の展示があったことを思い出した。(つづく)

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Posted by Qさん 大魔人 at 21:52Comments(0)