2012年06月27日

掛川建築文化研究会の建築探訪の旅(その3)






また、ガラスのカーテンウォールやガラスの屋根は日射熱の入射、夜間・冬場の放熱に
対して何ら抵抗力を持ち合わせていない。
屋根はそれでもガラスとデッキプレートが交互に張られてはいるが、ガラス部から入る
日射は遮ることもできず中で陽を避けて作業場を移動するというから並みではない。
ガラス部にはクロスを張って抵抗の跡が見られるが夏場の使用は避けたほうが身のためだろう。

この厄介な建築は中にいる人のために心地よく快適な建築という機能を持った箱ではなく、
立体アートといっても言い過ぎではあるまい。
それでもこのガラスの宝石箱を持ち、使う喜びがあるような気がする。
住むことが戦いのような安藤忠雄の「住吉の長屋」を思い起こさせられたのは何も私だけではなかろう。

この工房の利用は日曜日を除き10:00〜21:00で、6名の指導員と学生アルバイトで
ものづくりを支援する。「ものづくりの夢を実現させる目的で設立」に違わぬハード
そしてソフトになっていた。

KAITを後にし、次は東大の福武ホール、木質シェル構造の弥生講堂、
TOTOギャラリー間、表参道ヒルズと建築探訪の旅が続いた。(おしまい)


  


Posted by Qさん 大魔人 at 22:59Comments(0)