2006年01月29日

「天まであがれ!」ロケ(その1)

「浜名湖えんため」ロケ応援団の太田さんからメールが届いた。
ten101

***27日より『天まであがれ!!(仮)』の撮影も始まり、

明日29日(日)にはクライマックスシーンの25畳大の大凧を

浜名湖ガーデンパークで揚げるという大イベントが繰り広げ

られます。スタッフは8時集合です。***

この29日の撮影は、「鈴木天馬君(10歳)と中山じいさんの

出会いは、二人の凧への思いに火をつけた。二人は、じいさん

が作りかけのまま放置していた、25帖の大凧を完成させよう

と誓うのであった。果たして、完成を間近に控えたある日、

じいさんが倒れてしまう。天馬の大凧は完成するのか・・

天馬の思いは天までとどくのか・・」というクライマックスの

シーンなのだ。

前夜にあった中西三沙子さんの「ピアニシモでね」の出版記念

パーティーで飲み過ぎ、目が覚めた時すでに8時半、あああ。

これでは9時半に予定されている大凧を揚げるシーンが見られない。

朝食をそこそこにエキストラ兼お手伝いに会場に向かった。

この日は珍しく風がない。遠州のからっ風と言われ冬のこの時期

は西風が強烈だ、風がないことよりも強過ぎることを心配してい

たくらいだ。会場に着くと凧は寝ていた。どうやら風がないので

風を待っている様子に思わずラッキーとつぶやいた。

ten102


他のシーンのロケが続いていた。中山じいさん役の宍戸錠氏が

右足を包帯で巻き足をずって歩く場面だ。

「スタート!・・・カット!」北原監督のイメージに合わず

3回をほど取り直しが続く。

「みなさん、本番中は声を出さないでください」との声に皆、

固唾を飲んで見守る。取り巻くスタッフは20人はゆうにいる。

浜名湖えんための松島君も中に混じり映画制作者側のスタッフ

と間違えるぐらいの活躍ぶりだ。稲葉会長もディレクターのノリ

で走り回っている。

ten103


午後2時を過ぎ風が出てきた。これなら揚がりそうだ。いつの間

にやら各町内の凧も応援参加、20を越す凧が舞っている。

う、うなぎの凧もいるではないか。

いよいよ法被姿の浜松凧揚げ会の連中が糸を繰り出す。

すっと朱書きの「天」が空を目指した。青空に「天」が映える。

これで凧があがっているカットは撮れた。次は凧糸を引いているシーンだ。

稲葉会長が気を利かして私をエキストラに出してくれることになった。

早速、法被を羽織、糸に付いた。引っ張らずに引っ張っているように、

カメラを絶対に見ないで、空に凧を思い浮かべて揚がった喜びを顔に

出してと注文がついた。皆、顔を引きつらせながら笑み、腰を落とし、

力を入れて糸を引くふりをした。「皆、役者やねえ」。

夢中になっている間に西の空が赤みを帯びてきた。

もう帰らなくては、明日から2日間は我が家でロケだ。


ten104



***天馬は、父親と死に別れ、東京から父の故郷で、母の実家がある

浜松に引っ越してきた。浜松での生活は、東京の暮らしとは随分違った。

転校した小学校でもなかなか友達ができない。***

そう、この母の実家が我が家なのである。美術担当の斎藤さんが孤軍
奮闘で部屋を飾り付けているのだ。正月の場面だから門松が欲しい、
掛け軸はこちらのほうがいい、監督のイメージに合うようにしつらえ
ていくのは大変な作業だ。その仕上がり具合と母の様子見に帰宅を急いだ。
(つづく)

溝口久 q-mizo(アットマーク)tranzas.ne.jp

しずおかグリーンツーリズム研究所  主任研究員
  浜名湖えんため(環浜名湖の観光振興を考える会)顧問
http://mq.blog14.fc2.com/ (大魔人の旅ほか)  


Posted by Qさん 大魔人 at 16:15Comments(0)お知らせ・イベント

2006年01月29日

「天まであがれ!」ロケ(その1)

「浜名湖えんため」ロケ応援団の太田さんからメールが届いた。
ten101

***27日より『天まであがれ!!(仮)』の撮影も始まり、

明日29日(日)にはクライマックスシーンの25畳大の大凧を

浜名湖ガーデンパークで揚げるという大イベントが繰り広げ

られます。スタッフは8時集合です。***

この29日の撮影は、「鈴木天馬君(10歳)と中山じいさんの

出会いは、二人の凧への思いに火をつけた。二人は、じいさん

が作りかけのまま放置していた、25帖の大凧を完成させよう

と誓うのであった。果たして、完成を間近に控えたある日、

じいさんが倒れてしまう。天馬の大凧は完成するのか・・

天馬の思いは天までとどくのか・・」というクライマックスの

シーンなのだ。

前夜にあった中西三沙子さんの「ピアニシモでね」の出版記念

パーティーで飲み過ぎ、目が覚めた時すでに8時半、あああ。

これでは9時半に予定されている大凧を揚げるシーンが見られない。

朝食をそこそこにエキストラ兼お手伝いに会場に向かった。

この日は珍しく風がない。遠州のからっ風と言われ冬のこの時期

は西風が強烈だ、風がないことよりも強過ぎることを心配してい

たくらいだ。会場に着くと凧は寝ていた。どうやら風がないので

風を待っている様子に思わずラッキーとつぶやいた。

ten102


他のシーンのロケが続いていた。中山じいさん役の宍戸錠氏が

右足を包帯で巻き足をずって歩く場面だ。

「スタート!・・・カット!」北原監督のイメージに合わず

3回をほど取り直しが続く。

「みなさん、本番中は声を出さないでください」との声に皆、

固唾を飲んで見守る。取り巻くスタッフは20人はゆうにいる。

浜名湖えんための松島君も中に混じり映画制作者側のスタッフ

と間違えるぐらいの活躍ぶりだ。稲葉会長もディレクターのノリ

で走り回っている。

ten103


午後2時を過ぎ風が出てきた。これなら揚がりそうだ。いつの間

にやら各町内の凧も応援参加、20を越す凧が舞っている。

う、うなぎの凧もいるではないか。

いよいよ法被姿の浜松凧揚げ会の連中が糸を繰り出す。

すっと朱書きの「天」が空を目指した。青空に「天」が映える。

これで凧があがっているカットは撮れた。次は凧糸を引いているシーンだ。

稲葉会長が気を利かして私をエキストラに出してくれることになった。

早速、法被を羽織、糸に付いた。引っ張らずに引っ張っているように、

カメラを絶対に見ないで、空に凧を思い浮かべて揚がった喜びを顔に

出してと注文がついた。皆、顔を引きつらせながら笑み、腰を落とし、

力を入れて糸を引くふりをした。「皆、役者やねえ」。

夢中になっている間に西の空が赤みを帯びてきた。

もう帰らなくては、明日から2日間は我が家でロケだ。


ten104



***天馬は、父親と死に別れ、東京から父の故郷で、母の実家がある

浜松に引っ越してきた。浜松での生活は、東京の暮らしとは随分違った。

転校した小学校でもなかなか友達ができない。***

そう、この母の実家が我が家なのである。美術担当の斎藤さんが孤軍
奮闘で部屋を飾り付けているのだ。正月の場面だから門松が欲しい、
掛け軸はこちらのほうがいい、監督のイメージに合うようにしつらえ
ていくのは大変な作業だ。その仕上がり具合と母の様子見に帰宅を急いだ。
(つづく)

溝口久 q-mizo(アットマーク)tranzas.ne.jp

しずおかグリーンツーリズム研究所  主任研究員
  浜名湖えんため(環浜名湖の観光振興を考える会)顧問
http://mq.blog14.fc2.com/ (大魔人の旅ほか)  


Posted by Qさん 大魔人 at 16:15Comments(0)お知らせ・イベント