2012年03月27日
新潟・佐渡島の旅(その10)
さて、佐渡島と言えば、真っ先に朱鷺のことが頭に浮かぶ。
20世紀初頭には、中国、ロシア、朝鮮半島、台湾、日本など
東アジア一帯に広く分布し、珍しくはなかった。
しかし今では、野生の朱鷺は中国陝(せん)西(せい)省と佐渡で
平成20年に10羽、21年にも20羽放鳥されたのみになっている。
平成15年に日本生まれの最後のトキが亡くなっている。
平成11年に中国からつがいの寄贈を受け人工孵化に成功、
その後順調に繁殖が進み21年には総飼育数が153羽になっている。
そのトキは「トキの森公園」にいる。そこには資料展示館、
野生復帰ステーション(繁殖ゲージ、順化ゲージ、収容ゲージ、管理棟)がある。
ここからトキは自然に放たれ、野生復帰を目指すことになる。
これにはトキの餌場を用意する必要がある。休耕田をビオトープ化、
無農薬・減農薬の米づくりや冬期湛水などの取組がされている。
そしてこの「トキの共生する佐渡の里山」が世界農業遺産
「GIAHS」に国内で初めて認定された。GIAHSとは、
次世代へ継承すべき重要な農法や自然景観、生物多様性などを
有する地域を国連食料農業機構(FAO)が認証するものだ。
佐渡産コシヒカリ「朱鷺と暮らす郷」と銘打って、
市が減農薬・減化学肥料で栽培された米を「佐渡トキ認証米」としている。
野生復帰ステーションで見たトキが次々に佐渡の空を舞って欲しいものだ。
今回は残念ながら外でトキを見かけることはなかった。(つづく)
Posted by Qさん 大魔人 at 05:59│Comments(0)