2010年11月22日
ゆふいん山荘無量塔の藤林さんのお話(その2)
僕は湯布院に 来てからはレストランの仕事を終えて、夜9時半ごろからいつも
天井桟敷(亀の井別荘の喫茶)に行っていた。ポケーっと眺めていた。
由布院のまちづくりって?リゾートの魅力って?何かなー、それはあの
丸テーブル(酒樽の底を利用している)にあるかなと思っていた。
まず傷物の古 伊万里の鉢がある、それに野の花が投げ入れてある。
鉢は一級品じゃない、でも時代はある元禄のいいものだ。
その時代のできそこないで、まして傷物でそれほどの価値はない、
でもねあれを見立てて丸テーブルに置いて、菜の花を投げ入れてある、
あれに由布院のセンスが凝縮されている。
そこを囲んで 浴衣姿のご夫婦が丹前を羽織って静かに時を楽しんでいる。
一方ではまちづくりに熱心な方々が議論をしている。空気がいい、
こうした場で時を一緒に過ごせることが楽しみでもある。
その出会いの 場を天井桟敷はつくったということで、まさにこれがね、
由布院の良さと思った。だからこれを僕も実現したいなーと思った。***
藤林さんを亡 くした由布院のダメージは相当に大きい。藤林さんが由布院に
来た理由は一つ。中谷健太郎さんがいるからそれだけ。
彼らと同じ場所、同じ時を過ごすことができたことを誇りに思うし、
それが何より藤林さんの喜びだった。
このところの 由布院のセンスをリードしてきたのは山荘無量塔の藤林さんだと
思う。
その姿が今はない。でもきっと氏の魂は皆の胸の中に刻み込まれ、生き続けるだ
ろう。
藤林さんだったらどう考えるだろうか?どうするだろうか?また教えて欲しい。
合掌
※写真は山荘無量塔Tan's Barにて藤林さん
Posted by Qさん 大魔人 at 22:54│Comments(0)