2009年04月17日
伊豆の旅(その4)
旅館は縦に伸び始め巨大化するにつれ、街にあるサービスを建物中に組込み、
いったんチェックインしたお客の消費を館内に押し込めた。
海の眺望を売りにする旅館・ホテルは建物を上に伸ばす。
かつて鄙壇上にお互いの旅館や別荘からの眺望に気を遣って建築していた
行為がそこには見られない。
「我さえ儲かれば」を競い合いあったなれの果てが、海辺の温泉場に多く見られる。
「海の見える地に、いまや人気の温泉場は無い」と言い切った黒川温泉のリーダー
後藤哲也さんの言葉を思い出す。ウチの売りは「温泉と田舎」だ。
温泉に集中し、田舎らしさに徹底的にこだわる後藤さんらしい言葉だ。
富岡さんのお話を聞いている途中に、宮城県庁の星さん到着。
それぞれに自己紹介をお願いした。ブランド戦略、港湾そして生活保護の仕事に
富岡さんはことごとく反応した。
港湾は目の前に造られた海水浴場ことに、生活保護は旅館が倒産すると一気に
対象者が増えるという話に、流れてくる身寄りの無い従業員のその後など、
観光地特有の問題があることを口にされた。
話の後に、お楽しみのイカメンチ、海鮮汁、釜飯をご馳走になっている間に、
最後の合流者愛媛県庁の福井さんがそろそろ駅に到着する時間が近くなっていた。
イカメンチは相当にイケル。是非召し上がっていただきたい。店にはパックものも
出始めている。干物と合わせてお土産に最適である。
網代駅で福井さんをピックアップして伊東温泉に向かった。
川沿いに昭和初期に建てられたかつての老舗旅館がある。
それが木造3階建の温泉旅館『東海館』だ。平成9年に廃館後、伊東市に寄贈された
この旅館は、その数奇屋建築の美を堪能するとともに伊東温泉の観光の歴史や伊東
に別荘を構えた文化人の執筆資料が展示されている。
温泉もあり入館+入浴で500円はかなりお得だ。
伊豆最初の温泉をこの東海館とした。浴場が二つあるがタイミング悪く小浴場が男用
になっていて、5人の男が高密度の浴槽に身を投じた。
この距離感が2泊3日の旅を濃密なものにしてくれた。(つづく)
※写真は東海館
伊豆の話は終り?虫庭の宿は?上海の話は? 同時に複数の話題を進めていると
それぞれに興味のある方から反応があります。そこで、今回は伊豆の話の続きを
しました。
上海でのバカ受けブースのお話は次回とします。
週末は久々に地元にいます。そして蕎麦会を開催します。庭に勝手に出ているセリや三つ葉
を天ぷらに、野菜鍋にしたて、カツオのたたき、炭火焼 そんなメニューでやってみます。
小生は言うだけ、つくるのはみんなです。
いつもはボサノバ蕎麦会なのですが、今回はボサノバプレイヤーそしてシャンソンシンガー
も捉まえることできず、演芸蕎麦会になりそうです。
Posted by Qさん 大魔人 at 23:40