2009年08月17日
遠州大念仏「蝉しぐれの盆」
三方原合戦の徳川・武田両軍の戦死者をと弔うために始まったものと言い伝えられている。
小生が小さな時には「とったかがやってきた」と言って初盆宅に見物に行ったものだ。
念仏の組は30人ほどで編成されているから、これを呼ぶには相当な費用がかかるため
地元で言うところの「オダイ様」しか呼べなかった。
費用もさることながら彼らが舞う広い庭が必要なこともあって、出番が少なくなってきているとの話を聞く。
この伝統芸文化を多くの人に知ってもらい、そのよさを皆が愛でることで、
この文化継承していくことの地域の誇りを喚起していこうというのが、この「蝉しぐれの盆」
の目的だ。
旧豊岡村(今磐田市)敷地の獅子が鼻という岩がそそり立つ足元の広場、ヒグラシの声が上から降ってくる
梵鐘、笛、太鼓のリズムが「獅子が鼻」に反射し木霊する。特に1尺8寸もある鉦の響きに
哀愁が漂う。
旧浜北市(今浜松市)から2組、袋井市から1組、豊岡村から3組 基本的には同じ調子ではあるが、
出囃子の道化であるおかめ、ひょっとこ、あるいは殿様など 趣向が凝らされている。
最初ちょいと退屈したが、そのうち引き込まれ 17:45から 30分ずつ6組の念仏はあっという間に終わった。
このイベント、主催は自治会 潤沢にない予算を工面し、入場料500円を頂戴するために護摩の札が用意されていて
その札に願いを書く、そして舞台に札を差し出し焼香する。実際に僧侶が祈りをささげた。
最後に護摩焚きをやって、皆の願いを天高く舞い上がらせる。その仕掛けに唸った。
このイベントをやろうと思い、本当に形にしてしまった一人のリーダーと協力された
組内外の人々に深く敬意を表します。
「魅力ある観光地づくり補助金」で少し支援させていただいたが、大きな成果が上がったものと思います。
継続していただき、小生が勝手に言っていた「めざせ、おわら風の盆!」が本当に実現することを期待しております。
※写真は迎え火と「蝉しぐれの盆」
Posted by Qさん 大魔人 at 22:48