2009年11月23日
市川團十郎演じる歌舞伎「外郎売」
「さてこれからは商いと、席改めて、ういろうは拙者親方と申しまするは、お立会いの中にはご存知の方もおりましょうが、、」
小田原市に「ういろう」という薬があることがご存知の方は多いかと思う。名古屋のお菓子の「ういろう」とは異なるものである。
「ういろう」とワードで打つと「外郎」と出てくる、はて何で?
その後の口上を市川團十郎が、歌舞伎十八番の内「外郎売」で、
「そもそも妙薬のその謂れ、昔、陳の国の唐人、外郎といえる者、、、」
と妙薬「外郎」の故事来歴から効能を身振り手振りを交えて実に流暢にしゃべりだす。
「そして一粒口に含めば、さらに舌が回りだし立て板に水のごとくに早口言葉を次々と披露していく。
さて、この「外郎」、小田原の店に行ってお金を出せばすぐに買えるという代物ではない。
なぜかは?行ってみてのお楽しみ。
この薬の効能の一つに口や喉を爽やかにする働きがあり、貴族は冠に入れ臭気防止に用いていた。
中国で礼部員外郎(れいぶいんがいろう)という官職についていて日本に帰化し、外郎家を名乗った
人物の子孫が、北条氏に献じ、後に土地の名物になったと伝えられている。
その子孫に国立劇場11月歌舞伎公演の特別席の招待券を頂戴し、いそいそと出かけた。
文楽、狂言、農村歌舞伎をこれまで見てきたが、時折意識がなくなるので大丈夫かなぁと心配だった。
でも市川團十郎に坂田藤十郎、小生でも名前を知っている歌舞伎役者が出演するとあっちゃー見ぬわけにはゆかない。
「外郎売」、「傾城反魂香」、三幕目には「大津絵道成寺」 ここでは御歳78歳の藤十郎が、
藤娘、鷹匠、座頭、船頭、鬼の五役をこなす。
ついウトウトとした隙、一瞬に衣装は変わりその場面を見失ったことを悔いた。
舞台、衣装のあでやかさ、幕が上がると思いきや下に落としての幕開け、
様々なサプライズが舞台にある。
何を言っているのかわからない向きにはしっかり「イヤホンガイド」のサポートがある。この解説が結構面白い。
そもそも歌舞伎とは?という人には、伝統芸能情報館(無料)が用意されていて、開演前一時間ほど予習されるといい。
12月公演はいよいよ伊豆修善寺を舞台にする「修禅寺物語」、演じるは中村吉右衛門。
12月11,22日には「社会人のための歌舞伎入門」もある。価格も特別席12,000円から3等席1,500円まで用意されている。
こうした努力あってか会場は結構若い人が多い。
皆様方も是非、国立劇場に歌舞伎見物に参じようではありませんか!
Posted by Qさん 大魔人 at 23:47