2008年08月21日

日帰り富士登山(完)



さて、下山だ。砂走りと言って殆どまっすぐに転がり降りてくるような下山道だ。

砂埃がひどい、細かい火山れきが靴の中に侵入してくる。

マスク、靴カバーが欠かせない。下りは膝に負担がかかる。

塚田は膝に痛みが出たらしく、何と後ろ向きで下山を続ける。

真似てみるとこれが結構具合がいい。影島は杖を操りながらジグザグに下がっていく。




我高級作業靴の具合がどうもおかしい、ゴム底がはがれ始めているではないか、

これはちとまずい。加えて膝がガクガクし始めた。

上りより下りがしんどいとよく言われるが、事実だった。

ただ、空気は濃くなっていくので呼吸の苦しさはもちろんない。



山小屋ごとでの休憩もそこそこに先を急ぐ。五合目から出る帰りのバスは16時だ。

おー、五合目の駐車場が見えてきた。その頃、急に雲行きが怪しくなる。

雨が降り始め、遠くに雷も聞こえてくる。合羽はリックにない。

この天気なら大丈夫だと下に置いてきてしまっていたのだ。

それほどひどくはなるまいと思いつつ、下山を続ける。



靴のゴム底は半分取れ、足はがくがく、服は汗と雨でたっぷりと水分を含んだ。

「おい、まだかよー」と言ったところで誰も答えてくれるわけで無し、

間違いなく五合目に近づいていることは事実だと言い聞かせ、

砂走りの中に足首まで埋まりながら、かかとでブレーキをかけるように足を運ぶ。

雨は上がり、雷も聞こえなくなった頃、ようやくお茶屋に着いた。



ここで最後の休憩を取った。時間にそれほど余裕はない、残りの林間道を下り

五合目の登山口に到着、これでもう降りなくて済む。

16時のバスに乗ろうとバス停に向かうが、16時はなく17時だという。

それはまずい、娘の誕生日の食事会に間に合わない。そこにタクシーがうまい具合に来た、

車を停めてある宮口までの料金を聞くと3人で割るとバスよりも安い。ありがたい。

16時に五合目を発ち、車−新幹線と乗り継ぎ、なんと浜松のわが家に18:30に着いた。


すごい達成感だ。でもまた登りたいという気持ちになるには、年月が掛かりそうだ。

その後3日間富士山登山の苦しみが続くことになる。

足の痛みと首の日焼けの痛さとの闘いが待っていたのだ。(おしまい)



溝口久
寸又峡まちづくり会議実行委員相談役 浜名湖えんため顧問
大魔人の旅他http://daimajin.eshizuoka.jp/
〒430-0928浜松市中区板屋町596-408 q-mizo@tranzas.ne.jp
勤務:静岡県観光局観光振興室 静岡県の観光:http://kankou.pref.shizuoka.jp
富士山静岡空港開港:平成21年3月http://www.pref.shizuoka.jp/kuukou/contents/
はばたく静岡国文祭平成21年10/24〜11/8開催http://www.pref.shizuoka.jp/kokubunsai/index.html





Posted by Qさん 大魔人 at 22:06

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