2008年09月08日
越後妻有への旅(その1)
8月1日から3日、「天に学び 地を楽しみ 人と集う ふるさとづくり」をテーマに
全国県庁有志の会Jネットの第6回大会が新潟県十日町市・長岡市・湯沢町で開かれた。
今年3月9日、浜松市においてNPOが主体となって「浜松アートフォーラム」が開催され、
北川フラム氏がお話されるというので出かけた。
氏が手がけた新潟県越後妻有の「大地の芸術祭」の話だった。アートでまちづくり、
アートがまちを元気にする。ほんまかい?
商店街のショーウインドウにアートを置く、古い町並みの中にある家々の一部を作家に開放し、
作品を並べる。そこに見物客が訪れる。これも確かにまちづくりではあるが、今一つパンチがない。
北川氏の講演が始まった。内容は、アートを作家、住民、よそ者が協働して創り上げるというものだった。
大いに興味を持っていたところに、今回の旅先が新潟県越後妻有の十日町市である。
ここでは、作家が自作のアートを持ってきて並べるのではない。この大地のアートは、
作家が「他人の土地」にものをつくる。その他人とのコミュニケーションがうまくとれ、
「成立」がなければ、ことが始まらない。そして一緒になってつくらないと大地のスケール
に合うアートができない。住民はただの「観客」ではなく、協働者なのである。
住民だけじゃない、数多くの都会の若者や元若者が「こへび隊」と名乗り、ムラに入ってきた。
「地面見て百姓やってきた年寄り」と「都会で何やっているのかわけのわからん若者」との出会い
、衝突がムラを外に開くことになる。
「なんで「こへび隊」って言うの?」待ってましたと言いたくなる様な質問をしてしまった。
「大へび隊もいます。これはスポンサーです。大地のアートですから大地を全身で感じて生きて
いるへび、脱皮して一回り大きくなるへび。このことを表しているんですよ」「うーん なるほど」
その「こへび隊」、大地の芸術祭ばかりでなく、農作業も手伝うし、雪下ろしにも加勢と今やムラ
には欠かせない存在になっている。
「何人いるの?」「800人の登録があります」と、この事務局を担う山田嬢がこともなげに言う。
この「こへび隊」はボランティアだから手当てはないが、滞在費と旅費は支給、その他は自前である。
滞在先は廃校を宿泊施設に再生した「三省地区コミュニティ施設」。
我々も泊まったが、なかなか快適である。もと教室に大き目の二段ベッドが入り、
地元のシェフならぬ主婦が地元食材をフルに使った食事を用意してくれる。
テラスでの朝食はとても気持ちがいい。近くには松之山温泉という、入ったとたん効用が実感できる
温泉があるのもありがたい。聞くところによると日本三大薬湯とのこと。
定年になったら「初期高齢・こへび隊」で参加したいものである。(つづく)
※写真は棚田にアート
Posted by Qさん 大魔人 at 22:21