2008年11月28日
木札をめぐる水窪の協働物語(その2)
この欲張った目的を持ったモニターツアーに職場の仲間と3人で参加した、
他に養護学校の生徒と親、一般市民ら、協議会スタッフ合わせ40余名の
モニターツアー参加となった。
まずは天竜川の河口に行き、侵食が進む中田島砂丘を目にした。
天竜川上流域は中央構造線が走り、地質が弱く急峻のため土砂の生産量が多い。
そのため砂利の採取を可能にし、日本三大砂丘と呼ばれる中田島砂丘、
そして長く続く遠州浜をつくった。
ところが、今となっては15のダムで土砂の流出がせき止められ、波でさらわれる
砂の量のほうが、運んでくる砂の量より多くなってしまったというのが砂丘を
やせさせている主たる理由だ。
ただ、ダムは電力に、取水に、洪水防止に利用されているから、早々破壊できる
ものではない。そこで近頃、近頃ダム上流から下流に土砂を流す海底トンネル
なるものを作ることが計画されている。
自然に手をつけると、その変化に応じたバランスをとる。何かを取れば何かが失われる。
当てる光が強ければ影は濃くなる。自然界において三方良しはなかなかないようだ。
その後は、一路水窪に向かい、山住神社、標高1000mのところを走るスーパー林道
から水窪の深まり行く秋を堪能した。
最後に水窪ここほれワンワン塾が市から利活用を任されている山林、名付けて「ワンワンの森」
10haを見学、企業もCSRとして間伐作業に入っているとのこと、ここで代表の板橋さんが
杉を伐採すると言う。その木の幹周80cm程もある。間伐で切るような径の木ではない。
チェーンソウで受け口を作ると反対方向から水平に鋸刃を入れ始めた、一分も立たずに高さ
30mもある杉の木が地を揺らす音を立てて横たわった。皆から歓声が上がった。
林業家に違いないと思っていたら、後でいただいた名刺には左官と書かれていた。
本人曰く「ワンワンの仕事が年間60日ほどなっちまって、仕事はもう趣味だよ」。
夜は交流会が用意されていた。自己紹介が廻ってきたので「母が師範学校を出て最初
の赴任先が水窪小学校でした。今85歳だから、もう60年以上前の話だけど、教え子の
方や同僚の方でもし知っている方がいたら知らせて欲しい。」と言ったら、翌朝、
泊まった旅館に桜井と名乗るかつての同僚の方から電話があった。
「懐かしいやー 会ってみたいねえ」と言うものだから、「11月9日の水窪の街道祭に
母を連れてきますよ」と答えた。これで2週間後にまた水窪に行くことになった。
面白くなってきた。いい交流のきっかけをつくってくれてありがとう。
お楽しみはこれからだ。(おしまい)
※写真は侵食の進む中田島砂丘 今回のモニターツアー参加者+「ここほれワンワン塾」のみんな
Posted by Qさん 大魔人 at 22:18