2016年08月02日
下田への旅(その4)




ここ宝福寺は唐人お吉も祀られていて、その物語は住職の奥さ んがこれまた上
手すぎる語りで当時を思い起こさせてくれる。
住職ご夫妻のお話後に、いよいよ龍馬扮する増田さんのまち歩 きガイドが始ま
る。なまこ壁のある蔵、海舟が容堂に謁見して
いる時に待っていたと言われる住吉楼、下田の昔の風景の写真が飾られている酒
屋、店先に金目鯛の干物が並ぶ干物や、
アメリカジャスミンが香る了仙寺ここはペリーが来て日米和親条約の付属条約が
締結された場でもある。
海岸からこの寺に至るペリーロードの雰囲気は秀逸だ。柳と堀、そして道が素敵
だ。ここには旧家をリノベーションした
小粋な店が生まれている。景観が町に新たな価値観を創造させている。
旅行社を通じて参加したお客さんらはスーイーツのチケットを 持っていた。時
折、立ち寄る店で人気のアンパンや和菓子を手に入れていた。なかなかいい仕掛けだ。
交流、そして経済、お客さんの満足度いずれもアップだ。
今回はゆるりと下田を堪能させていただいた。愛媛県庁の田中 さんが「金谷旅
館の千人風呂に早う行こう」と急かす。そろそろ下田を後にしよう。旅はまだ続く。
追伸
小布施で本を出版している木下さんからほぼ毎日メールが送らてくる。その中に
気になる言葉があった。 小布施のやっていることは「結果観光」であり「目的
観光」ではない。
生活者が愛する土地で、主役として、すてきな暮らしをしていたところ、そのす
てきな暮らしぶりに惹かれて 、来訪者が「来てしまった」状態のことを言う。
充実した暮らしをしている生活者は、来訪者との交流を楽しみにして、 心から
もてなす。
「結果観光の逆は、目的観光。」観光客がくれるであろう目先の利益を得る目的
で、一時の楽しみをもたらす施設をつくり 、刺激的な催しを開き、広告宣伝の
費用をかけ、旅行業者に営業を行い、生活者を脇役にして、観光客を主役として
もてはやすことだ。
一時のブームが去った後の閑古鳥(かんこどり)が鳴く「かつての観光地」がい
かに多いことか。
来訪者が生活者という「光」を「観る」。と同時に、生活者が来訪者という
「光」を「観る」。
土地の主役である生活者の暮らしの豊かさを最優先に追い求めれば、結果観光に
なっていく。
「結果観光」は、小布施堂社長・市村次夫さんの造語だ。わが師由布院の中谷健
太郎さんが、我々に 「花咲くよりも根を肥やせ」と言い続けてきたことに通じ
る。そうだ、由布院に行こう。地震のあとが気になってやまない。 そして小布
施にも。敬愛する市村良三さんと次夫さん、そして文屋の木下さんに会いにね。
(おしまい)
Posted by Qさん 大魔人 at 23:07│Comments(0)