2005年06月10日

湯布院の旅(4/28〜5/2)その1

一年振りに湯布院に里帰りした。湯布院町には由布院温泉と湯平(ゆのひら)温泉という二つの温泉地があるが、この二つは全く趣を異にする。由布院は、由布岳を正面に据えた盆地の中の田園風景に、農家が、住宅が、お店が、そして宿屋が点在し、街道筋は幾多の店で賑わっている、そんなところだ。一方の湯平は、花合野川沿いの谷間に宿屋がびっしりと軒を連ねている。「湯平というところは気に入った、いかにも山の湯の町らしい石だたみ、宿屋、湯壷、料理屋等々おもしろい…。」とは種田山頭火が「行乞記」に記した一節だ。

湯治場の雰囲気が色濃く残っている。旅のスタートはここ湯平に宿をとることにした。岩風呂があり、目の前を花合野川がとうとうと流れ、その音を寝ぼけた頭で聞くと今日は雨かと勘違いする。ここの主夫妻とは大変親しくさせてもらっている。

以前「蕎麦打ちをやってみるけどうまくいかん」とぼやいていたのを知っていたので、ちょいと教えてやろうと厨房に潜り込んだ。お客さんへの食事の用意が済んでいたのか、従食を作っているところだった。従食、そう従業員の食事を料理長は作らない。代わりにかなり年輩のご婦人が桶でちらし寿司を作っている最中だった。

蕎麦打ちを始めるや否や、手を休め、じっとこちらを見ている。そして矢継ぎ早に「つなぎは何を使うの?水の量は?」と質問攻めだ。70はゆうに超えている彼女は料理作りにとても熱心で、そこの料理長からは「その腕なら食堂開いたら」との評価を受けているとか。

肝心の主の清水さんに教えなくてはと目をやると、水回しに力
が入っていた。「自然に粉同士がまとまるまで粉を廻すんだ、練
る工程はだいぶ後なんだね、初めて知った。」のしの工程も順調
にこなした。さて、切りに入ろうかと包丁を出してもらうと、恐れていた通り、あまり褒められた代物ではない。刃が短すぎるのだ。
遠く浜松から持ってきてよかった。細く切るのはまだまだだったが、なんとか蕎麦はできあがった。(つづく)

※写真は川べりの共同浴場

DSC03917.jpg
  


Posted by Qさん 大魔人 at 13:15Comments(0)大魔神の旅

2005年06月10日

湯布院の旅(4/28〜5/2)その1

一年振りに湯布院に里帰りした。湯布院町には由布院温泉と湯平(ゆのひら)温泉という二つの温泉地があるが、この二つは全く趣を異にする。由布院は、由布岳を正面に据えた盆地の中の田園風景に、農家が、住宅が、お店が、そして宿屋が点在し、街道筋は幾多の店で賑わっている、そんなところだ。一方の湯平は、花合野川沿いの谷間に宿屋がびっしりと軒を連ねている。「湯平というところは気に入った、いかにも山の湯の町らしい石だたみ、宿屋、湯壷、料理屋等々おもしろい…。」とは種田山頭火が「行乞記」に記した一節だ。

湯治場の雰囲気が色濃く残っている。旅のスタートはここ湯平に宿をとることにした。岩風呂があり、目の前を花合野川がとうとうと流れ、その音を寝ぼけた頭で聞くと今日は雨かと勘違いする。ここの主夫妻とは大変親しくさせてもらっている。

以前「蕎麦打ちをやってみるけどうまくいかん」とぼやいていたのを知っていたので、ちょいと教えてやろうと厨房に潜り込んだ。お客さんへの食事の用意が済んでいたのか、従食を作っているところだった。従食、そう従業員の食事を料理長は作らない。代わりにかなり年輩のご婦人が桶でちらし寿司を作っている最中だった。

蕎麦打ちを始めるや否や、手を休め、じっとこちらを見ている。そして矢継ぎ早に「つなぎは何を使うの?水の量は?」と質問攻めだ。70はゆうに超えている彼女は料理作りにとても熱心で、そこの料理長からは「その腕なら食堂開いたら」との評価を受けているとか。

肝心の主の清水さんに教えなくてはと目をやると、水回しに力
が入っていた。「自然に粉同士がまとまるまで粉を廻すんだ、練
る工程はだいぶ後なんだね、初めて知った。」のしの工程も順調
にこなした。さて、切りに入ろうかと包丁を出してもらうと、恐れていた通り、あまり褒められた代物ではない。刃が短すぎるのだ。
遠く浜松から持ってきてよかった。細く切るのはまだまだだったが、なんとか蕎麦はできあがった。(つづく)

※写真は川べりの共同浴場

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